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1996年

私は北海道釧路行きの「近海郵船まりも・さろま・ブルーゼファー・サブリナ」、苫小牧行きの「さんふらわぁ えりも」、四国行きの「さんふらわぁ」、そして先日三重県沖で座礁し沈没してしまった沖縄行きの「ありあけ」などで日本各地へ何度も船旅をしたので、このフェリー埠頭には並々ならぬ思い入れがある。中学生の頃など、旅に憧れるあまり自転車でこの埠頭までよくサイクリングに出かけたものだった。当時の感覚からしても少し古い感じがしたこの建物の2階の待合所にグーテンバーガーの自販機はあった。なにせ埋め立て地だけあって近所には商店など全く無い。今でこそ有明周辺は開発されてとても賑わっているが、当時は本当に何も無い「都会の果て」だった。そんな環境で夜間、唯一の暖かい食事がこの自販機だったのだ。しかし旧フェリーターミナル解体と同時にその自販機も無くなってしまった。

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フェリー埠頭

暮れゆく真夏のフェリー埠頭に、東京湾を渡る生ぬるい風が吹く。
トラックや旅人が行き交い止まらない景色を見ていると、とてつもなく旅情が高まってくる。

フェリーターミナル

建て替えられる前の古い旅客ターミナル。何もかもが昭和の匂いに満ちている。
賑わった昔、幾多の夢が交錯する、旅人の思いが沁みついた空間。
しかしこの旅の直後にターミナルビルは解体されてしまいこれが最後となった。

自販機コーナー全景

フェリーターミナル2階の待合所の横には自販機コーナー。
手書きの看板にも、懐かしい時代を感じる。

グーテンバーガー自販機

これぞ本家グーテンバーガー。赤いランプが点滅し待つこと1分。
コトンと出てきたバーガーは、その日そこでしか味わえない旅の味だった。

カップ麺自販機。こういう環境で食べると
非日常感がスパイスとなって、やけにおいしいものだ。

フェリー さんふらわあ えりも

サンフラワーえりもが見える。
ここから北海道への旅が始まる。
この航路も今はない。

夜の東京フェリー埠頭

埠頭の非日常的な風景を見ながら食べるグーテンバーガーは格別だった。

自転車やバイクで放浪していると、グーテンバーガーに出逢う。
空腹を満たしてくれるありがたさ、加熱中のワクワク感が堪らないのだ。
「ポッポッ」とランプを点滅させながら、バーガーを温め、コトンと出てくる。
その存在感にどこか懐かしい親近感を覚えるのは
このページを見つけてくれた人ならきっと解ると思う。

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Last Updated 2021.5.3

Updated 2015.8.25

Updated 2010.8.20

2010.3.4

2007.11.29

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