道央と道東を結ぶ主要国道38号線の狩勝峠に近い落合地区で、道を挟んだ両側にとても渋い建物を発見。昔ながらのよろず屋である小出百貨店とコインスナックオチアイである。1970年代の北海道の雰囲気をそのまま保存しているような貴重な物件である。 小出百貨店は閉店し自販機は撤去されました。
国道38号が山間部に入っていくと、昭和に迷い込んだような場所があった。
前時代の遺産のような激渋なコインスナックオチアイ。
群馬を拠点とするオレンジハットの「帽子とヒゲ」マークをこんな山中で見るとは思わなかった。
北海道の前時代、炭鉱のころからの歴史ある小出百貨店が営業していたコインスナックオチアイ。
電球の付いた古い看板が堪らない。
現在は施錠されていて中には入れないが、富士電機めん類自販機や見たことも無い自販機が。
90年代以前の北海道はコンビニもほとんど無く夜は夜だった。
この電飾看板が煌々と明かりを灯していたら、山中の道でホッとするだろうなぁ。
ましてや冬なんて・・・想像するだけでもロマンがある。
あのオレンジ色のは太平洋工業トーストサンド自販機だ!
小出百貨店の若奥さんに鍵を開けて貰って、今は物置として使われている 店内を特別に撮影させていただいた。
通電すればまだ動くんじゃないかと思うほど保存状態は良さそうだ。
カウンターはニキシー管。メックは500円貨も使用可能になっている。
小出百貨店の女将さんにいつまで開店していたか訪ねたが、正確な年はわからなかった。
少なくとも10年以上昔だそう。
このハンバーガー自販機は珍しいタイプで、よくある星崎のものとは全く違う。
非稼動だとしても現存しているのは日本全国でここだけであると思われる。
なんかあまり食欲をそそらないキャラとパネルデザインではないか。
だから全国でも残ってないのかも。
昔の特撮モノ系のようなチープさがかわいい1分間調理タイマー。
あぁこれが回るのをワクワクしながら眺めてみたい。
なんと大手メーカー東芝製だったとは驚き!
今これを撮影しているカメラのSDカードも東芝製だ。
そして今なお現役で営業中の小出百貨店。激渋な佇まいは国宝級だ。
20年前なら道内のどこでも普通にみられたこういうお店も、いまは絶滅しつつある。
北海道はコンビニが進出するのが遅かったので、こういうよろず屋は大活躍だった。
私も旅の道中よくお世話になったものだ。店内の匂いも当時のままでとても懐かしい。
これは貴重な北海道遺産に相当するだろう。
しかし実物を味わうなら早い方がいいかもしれない。
8年ぶりに通りがかった国道38号線の落合地区。
自販機はすべて無くなっていた。
残念ながら商店のほうもシャッターが降り、閉店したようだ。
廃墟感が漂う。
北海道では昭和の木造建築はどんどん消滅していっている。
電飾看板が寂しく残る。