京丹後市の峰山町は昔ながらの町並みで、県道17号から細かい道を少し入ったところに黒田天ぷら店があり、その激渋な店先にこれまた年季の入った富士電機めん類自販機が設置されていた。 2012年1月に故障し現在は撤去されています。
2時間半も長居したドライブインダルマから国道176号を海沿いドライブしながら、
1時間ほどで京丹後市の古い町並みの中へ。
桜があちこちで満開で自販機巡りに華を添えてくれた。
細い路地が入り組んだ昔ながらの町の店。
昭和のまま刻が止まってしまったような風景。
周囲によく馴染むかたちで富士電機めん類自販機が収まる。
うどん単独の電照板の通り、きつねと天ぷら、うどんのみの販売。
自販機は半分家屋に飲み込まれたような格好で設置されていた。
裸の15W蛍光灯がこれまた渋い。
京丹後弁が味わい深い、元気の良いおばあちゃんがこの店の主だ。
2011年1月までは何とか稼働していたが、ついに、
器を押し出す部分が故障してしまったという。
島根の西部技研・田中さんに電話で助けてもらいながら、
自販機の中を見てみる。
何年か前には冷蔵庫の下のコンプレッサーも
数十万かけて交換したそうだ。
保健所の更新もしたばっかりだったのに。
押し出し棒は故障していた。そして驚愕の事実が!
本来激しく回転して湯切りする回転盤が、モーターからの軸と繋がっていないのがわかった。
ということは、ここ最近は湯切りがされていないうどんが出ていたということだ。
なみなみと溢れていた汁の原因もはっきりした。
残念ながら修理はしないことにしたそうだ。
近所の修理屋さんもやめてしまったし、
高齢のため夜間の管理も大変で、
最近は昼間だけの稼働にしていたそうだ。
店内も昭和のままで懐かしい。
揚げ物一筋57年のおばあちゃん。
うどんは食べられなかったが、おばあちゃんの人情が詰まった
はんぺん揚げが最高においしかった。
当分はこのままオブジェのように残しておくそうだ。
非稼動自販機とおばあちゃんの揚げ物を味わいにいくだけでも
おもしろい旅になるだろう。