懐かし自販機の聖地・花ヶ瀬に2軒の味わい深い店舗が並ぶ。
国道9号沿いに津和野方向にあるお店がオアシスだ。
店主の田中さんは西部技研代表でもあり、島根~山口にかけての自販機のメンテなどを担うプロで、提供している自販機めん類の品質にも高いこだわりがある。
24時間営業。
約一ヶ月にわたって侘寂(わびさび)温泉巡り取材をした九州から本州へ戻り、まずはオアシスへ。
懐かし自販機の聖地 花ヶ瀬
隣の後藤商店と合わせて5台の麺類自販機が稼働する奇跡。
奥にはいつもおしゃれな田中さん。
実際の自販機はかなり大きい。
全国的に見ても風格ナンバーワンかも。
外装はボロいが調理部は常に清掃されているので衛生面は心配ない。
このオンボロ自販機から旨いラーメンが出てくるギャップが堪らない。
まずは天ぷらうどんを食べる。
田中さん手作りの海老天と野菜天が最高に旨い。
こちらも凄い風格。
他の修理が忙しくてどうしても外装などは後回しになってしまうそうだ。
肉そばを食べる。
甘めの肉が出汁に合いとても旨い。
吊り下げ式の一味。濃いめの出汁に一味を振るとピリッと最高に合う。
自販機のお店 風花のオーナー瞽女迫さん オアシスの汎用機で肉巻きおにぎりなどを販売している。
うどんやラーメンにプラスもう一品に最適なおにぎりなど安くておいしい。
常に改良を怠らない田中さん、今回はラーメンに焼きそば用の麺を使用。
表面の油によって乾燥を防ぐ効果がある。
田中さん特製チャーシューが堪らなく旨そうだ。
厚切りチャーシュー、ネギもたっぷりと。
出来たてを自販機で調理。麺のプリプリ感がアップしている。
田中さんの書いた歌詞に曲をつけていく。
渋い歌詞の「花ヶ瀬の女」。
夜の自販機は更に雰囲気が増す。
今回の〆はラーメン。
日本一の自販機ラーメンと思える納得の旨さ!
田中さんごちそうさまでした!
朝から素敵な山道を走り繋いで、かわもと、風花と味のある自販機コーナーを堪能し、
一日の終わりに満足感に浸りながら今日の最終目的地、益田市のオアシスに到着した。
今回の旅の大きな目的でもある著書のためのインタビューなど、
これから3日間にわたって懐かし自販機の神・田中健一さんをじっくり取材したい。
外観はいっそう風格を増した感のある富士電機めん類自販機。肉うどん・そばを販売中。
こちらの一台もかなりの年季が入っている。ラーメンと天ぷらうどんを販売中。
長年の常連客 川橋武芳さん(78)は奥さんに先立たれてからというもの
ほとんど毎日オアシスにうどんや総菜を買いに来るそうだ。
地域の明るい雰囲気づくりにも貢献しているオアシスと田中神。
毎日数回の補充のたびにPP丼に盛りつけていく。
常に新鮮な一杯を提供したいという田中神のこだわりだ。
田中神はローカルテレビ、新聞から全国ネット局にまで登場し地元での認知度も高まった。
毎日4時起きで商品を補充、各店への出張修理など、更に多忙を極めている。
田中神に自販機の相談等したい方は、当サイトまで連絡をください。
猫の手も借りたい田中神が長年愛用するコインカウンター。
早朝から各店を見回り、全自販機をチェックし、めん類を補充。
自販機を完全分解できる工房には、出番を待つオーバーホール中の自販機の姿も見える。
PP丼のストックもまだたっぷりあるという。
最近はメディア露出の影響でお客も増え、PP丼の洗浄作業も途方がない。
懐かし自販機の聖地・花ヶ瀬のもう一軒の重鎮 後藤商店で新鮮なネギを買う田中神。
毎日手作りの天ぷらを揚げる。手抜きのない田中神。生き方がアートだ。
少しでも新鮮なものをと、各メニューごとの売れ行きを見ながら少量ずつ補充する。
機械の調子全体をチェックし、完成品の試食も欠かさない。
田中神の愛情が煮込まれ染みこんだ肉うどんの甘いコクは完璧だ。
国道9号の津和野方向を見渡すとのどかな山の景色が広がる。ドライブ前の一杯に寄っていく客も多い。
余計な飾りはいらない。長い時間大事に使う。金のために生きているのではない。
当たり前のことが忘れられた現代に、同じまま在り続けている価値に気づきたい。
懐かし自販機の聖地・花ヶ瀬はオアシス、後藤商店と雰囲気、味わいともに
最高クラスの自販機コーナーが2軒も連なる奇跡の名所だ。
私がここ2年以上住んでいるインドと同じ安堵感、味わいセンスの良さがある。
風土から自然発生してきた流れに逆らわない表現。その本質が守られた空間は心地良いものだ。
自販機の裏側には簡単なテーブルもある。汎用機ではお菓子からパンなど総菜も。
ゲームコーナーに通ってくれるお客もいるのだ。
画一化した量産デザインが全国を覆ってしまった平成。
生活の空間デザインは一昼夜でできるものではない。
自販機という機械なのに何故こんなに人間味がある風景を醸し出すのだろうか。
存在そのものがアートのオブジェのようであり、
そのマシンから旨いうどんが買える・食えるという五感をフルで使うアート体験だ。
機能美と正直さそして、時間の経過が作品を作り上げる。
透けるニキシー管は、刹那的な夢の時間を演出する。
手作りチャーシューが人気のラーメン。天ぷらうどんはエビ天と野菜天が載ってあっさりと旨い。
湯切りでの水分減少も考慮した上での秘伝のタレ追加。
とろろもビヤッっと入れます。
麺を覆うネギは乾燥を防ぐ役割も。
補充したての一杯をいただきます。
すべてが25秒の間に魔法のように仕上がる。
レトロ自販機のバイブル!!
『日本懐かし自販機大全』
全国の名店紹介や貴重な資料、
オーナーインタビューなど
今まで無かった、丸ごと一冊
懐かし自販機本です!
島根ののどかな風景、国道9号沿いに渋いオレンジ色のオアシス。
2台の年季の入った富士電機めん類自販機が活躍する人気のスポットだ。
観音茶屋やシルクウェイにちはらなどにも設置されている名脇役である看板は、
瀬戸工芸さんという昔ながらの職人さんが制作しており、味わいのある字体に惚れ惚れする。
その瀬戸工芸さんによる2012年の新作の看板。
この時代に昭和を表現できる技術を持つ貴重な職人さんだ。
外装の痛みはあるが、懐かし自販機の神・田中さんが管理する自販機だけに調子はバッチリだ。
分厚いチャーシュー入りラーメン、えび天や野菜天が豪勢に載る天ぷらうどんが各350円。
一番人気の肉うどん、そして肉そばも350円。
麺の下にはタップリの牛肉、地場産の新鮮なネギとの相性は完璧だ。
回転湯切りの際に飛び出ないように入れた、山口県仙崎産のかまぼこや、
回転を計算してのとろろ昆布など非常に手間がかかっている。
えび天と野菜天で麺が隠れるほどの(乾燥を防ぐ効果もある)田中さん特製自販機天ぷらうどん。
出汁はワンランク上の創味食品製のものを使用している。
数時間野菜などと煮込んで作られるチャーシューがまた絶品だ。
そのおいしいチャーシューが厚切りで入り、隠し味も工夫された自販機のレベルを超えたラーメン。
隣の最新型の自販機ではおにぎりなどの軽食を販売。
自販機のお店 風花の奥さんが作る人気の「肉巻き」は
味付きのご飯を肉で巻いてありとても美味しい。
黄昏時、夕陽を浴びる自販機達。
そして夜の闇に輝く自販機達。田中さんは天ぷらを揚げたり盛りつけたりと忙しい。
一日に朝昼晩と入れてもすぐ売り切れになる。かといって入れすぎて
品質を低下させることはしたくないという田中さんの愛情が深い。
夜の自販機コーナーはまた独特の味わいがある。
田中さんは朝4時起きで仕事を始めて終わるのは夜10時になることも。
富士電機めん類自販機は2台ともニキシー管仕様で嬉しい。
繊細で温かな光を灯すニキシー管の陰極。
関東以東では定番の自販機メニューである天そばだが、
西日本では肉うどんなどのほうが人気があるためか、
オアシスのメニューにはない。今回は特別に天ぷらそばを作っていただいた!
やまや食品のそばはそば粉が8割くらいと高く、麺も太めで本格的。
それに豪勢な天ぷらが載れば最高の自販機天そばになるのは当然だ。
長年オアシスで稼働していた左端の汎用機が津和野に新しくオープンするお店に引っ越した。
右側には新設されたカウンターが見える。
牛乳が瓶入りの時代だった頃からの懐かしいベンチ。よく銭湯の前なんかにあったっけ。
真夏の青空とオアシスのオレンジのコントラストが美しい。
うどんそばの看板も相変わらず好い味出している。
この日は体温と変わらない36℃の猛暑日だった。
この地域特有の赤瓦が青い空に映える。
眼前の高津川も今日は穏やかに流れていた。
津和野方面へだんだん山深くなっていく国道9号の感じも好い。
こんな猛暑日でも自販機の冷蔵能力はそれを上回り、
全く心配ないそうだ。
自販機の裏側から店の外を眺める。
夏休みの子供の頃をふと思い出す。
使い込まれた富士電機めん類自販機2台が異彩を放つ。
肉そば、肉うどん。各350円。猛暑日にお疲れ様である。
ラーメン、天ぷらうどん。
各350円。
ストックの天ぷらうどん。店内の冷蔵庫に一つ一つラップがかけられ
丁寧に保存されている。
海老天も入った豪華な自販機うどんだ。
西部技研の工房へお邪魔した。所狭しと自販機が並び圧巻。
めん類自販機以外にもお宝自販機がいろいろ。
自販機を運搬設置する専用機具。
めん類自販機は重いため一人では厳しいそうだ。
部品取り用にもたくさんの自販機があった。
田中さんは外装も一から塗装し直す技術を持つ。
今では絶対に手に入らないであろう、超貴重な当時のカタログをご提供いただきました。
まさかこんな凄いものに出会えるとは!本当にありがたいことです。
自販機メーカー各社ですら現在このような資料は持っていないという。
田中さん、唯一無二の貴重な資料を本当にありがとうございます!
昼ころ着いてから話は終わらず夕方に。なんと奥様の手料理までごちそうになり感謝感激。
珍しいシーラの刺身も絶品で感動しました。この旅では自販機食品ばかり食べていたので、
まさかのごちそうでした。
田中さんと奥様、
本当にありがとうございました。
夜の欽明館を撮影しに行こうと思っていたが、遅くなったので延期し道の駅で星空に乾杯。
最高に酒がうまい。カタログを眺めながら悦に浸る。
今回の旅も終盤戦だ。本当に各地で素晴らしい人たちに出会いお世話になった。
すべて自販機が結んでくれたご縁である。感謝してもしきれない。
奥には先ほど立ち寄った後藤商店が見える。
すぐ近くには全国的に
人気の益田ドライビングスクール、Mランド益田校もある。
高津川の真正面に位置する、オレンジ色が好い味出ているオアシス。
そういえば私のサイトのオレンジ色とそっくりだ。
道幅もあり次々と車がやってくる。
店内は写真奥のゲームコーナーと、
自販機コーナーに分かれている。
回廊のようなところにベンチなどもあり、おもしろい空間。
富士電機めん類自販機を裏側から見られるのも珍しい。
古くからの看板屋さんによる「うどん・そば」はとても味わい深い。
田中さん直営の「道の駅にちはら」や「観音茶屋」の看板も同じ人なのか聞いたら、やはりそうだった。
かなり使い込まれためん類自販機。
田中さんは完全に分解・組み立て出来るほど自販機に精通している。
ラーメン、天ぷらうどん各350円。
特にラーメンの具の本格チャーシューは人気が高い。うどんには季節に応じて柚子などが入る。
一番人気があるという肉うどん、
そして肉そばとも350円。
田中さんのこだわりは強く、牛肉ととろろ、まろやかな出汁にソフトな特注麺が
自販機から出てきたとは思えないほどのおいしさだ。
汎用機では市販品のハンバーガー、
おにぎり、缶詰などを販売。
道の駅「シルクウェイにちはら」のめん類自販機を、
独特な色に塗装した、田原さんにお会いすることが出来た。
ネットでその自販機を見て一目惚れしていた私にとって感動の出会いとなった!
店の裏ではちょうど田中さんが自販機専用PP丼の
洗浄をしているところだった。
田中さんが独自に特注しているといううどん。
このソフトな麺が優しい味わいの秘密だ。
自販機にセットする前の肉うどん。具は底に入れてある。
しこしこと腰の強いラーメンの麺。
田中さん(右)は島根県~山口県にかけての11軒のめん類自販機のメンテなどを一手に担っている。
オアシス、にちはら、観音茶屋、長沢ガーデン、欽明館、後藤商店、風花、大谷屋、日本海、かわもと、と
どのお店も味わい深い魅力的な自販機コーナーばかりで、私はもの凄い出会いに驚くばかりだった。
益田のソウルフード、
花ヶ瀬名物自販機コーナーだ。
この日は清流・高津川に避難勧告が出たほど、大雨による増水が凄く、
一時は国道9号も通行止めとなり、今夜の宿泊地、憧れの「長沢ガーデン」
に行けなくなるかという場面もあった。
ドライブイン日本海から数㎞益田市よりの
国道9号沿いにあったお店。
もの凄い味わい深い空気感だ。
どの自販機も懐かしい感じで素晴らしい。
ハンバーガー自販機もある。
川鉄と富士電機が仲よく並んでいるなんて素晴らしい。
オーバーホールされ新品のように生まれ変わった自販機。
後ろにはゆうひパーク三隅にかつてあり、2010年12月から欽明館で稼働中の
カラフルな機体も見える。
塗装も一からやり直し木目調のシートも新しく美しい。
中もご覧の通りピカピカだ。凄い技術ですね~田中さん!
錆を落とし再塗装します。
凄い!ですね~。さすがです。バラバラですね。そして・・・
さすがプロ!素晴らしい技術ですね。最高です。
貴重なパーツ。新旧の銘板。
うおおっ!ニキシー管だ!
だし用電磁弁!
そしてドナドナドーナ~
仲よくしてネ!!!!
晩秋の欽明館にめでたく新自販機が設置された!