懐かし自販機の聖地・花ヶ瀬に2軒の味わい深い店舗が並ぶ。
国道9号沿いに津和野方向にあるお店がオアシスだ。
店主の田中さんは西部技研代表でもあり、島根~山口にかけての自販機のメンテなどを担うプロで、提供している自販機めん類の品質にも高いこだわりがある。
24時間営業。
清流 高津川沿いに走る国道9号線に2軒の自販機スポットが並ぶ花ヶ瀬。
奥には先ほど立ち寄った後藤商店が見える。
道幅もあり次々と車がやってくる。
店内は写真奥のゲームコーナーと、
自販機コーナーに分かれている。
回廊のようなところにベンチなどもあり、おもしろい空間。
富士電機めん類自販機を裏側から見られるのも珍しい。
店主の田中さん(右)は島根県~山口県にかけての11軒のめん類自販機のメンテなどを一手に担っている。
にちはら、
観音茶屋、
長沢ガーデン、
風花、
大谷屋、
日本海、
かわもと、など
どの店も味わい深い魅力的な自販機コーナーばかりで、私はもの凄い出会いに感激した。
道の駅 シルクウェイにちはらのめん類自販機を、
独特な色に塗装した、田原さんにお会いすることが出来た。
レトロな色合いに一目惚れしていた私にとって感動の出会いとなった!
かなり使い込まれためん類自販機。
田中さんは完全に分解・組み立て出来るほど自販機に精通している。
ラーメン、天ぷらうどん各350円。
特にラーメンの具の本格チャーシューは人気が高い。うどんには季節に応じて柚子などが入る。
一番人気があるという肉うどん、
そして肉そばとも350円。
田中さんのこだわりは強く、牛肉ととろろ、まろやかな出汁にソフトな特注麺が
自販機から出てきたとは思えないほどのおいしさだ。
汎用機では市販品のハンバーガー、
おにぎり、缶詰などを販売。
厨房ではちょうど田中さんが自販機専用PP丼の
洗浄をしているところだった。
自販機にセットする前の肉うどん。具は底に入れてある。
田中さんが独自に特注しているというソフトな麺が優しい味わいの秘密だ。
益田のソウルフード、
花ヶ瀬名物自販機コーナーだ。
古くからの看板屋さんによる「うどん・そば」はとても味わい深い。
田中さん直営のにちはらや観音茶屋の看板も同じ人なのかと聞いたら、
やはりそうだった。
この日は清流・高津川に避難勧告が出たほど、大雨による増水が凄く、
一時は国道9号も通行止めとなり、今夜の宿泊地、憧れの 長沢ガーデン
に行けなくなるかという場面もあった。
四国、岡山を巡って梅雨が明けたオアシスに再び戻ってきた!
真夏の青空とオアシスのオレンジのコントラストが美しい。
うどんそばの看板も相変わらず好い味出している。
この日は体温と変わらない36℃の猛暑日だった。
この地域特有の赤瓦が青い空に映える。
眼前の高津川も今日は穏やかに流れていた。
津和野方面へだんだん山深くなっていく国道9号の感じも好い。
こんな猛暑日でも自販機の冷蔵能力はそれを上回り、
全く心配ないそうだ。
自販機の裏側から店の外を眺める。
夏休みの子供の頃をふと思い出す。
使い込まれた富士電機めん類自販機2台が異彩を放つ。
ストックの天ぷらうどん。店内の冷蔵庫に一つ一つラップがかけられ
丁寧に保存されている。海老天も入った豪華な自販機うどんだ。
西部技研の工房へお邪魔した。所狭しと自販機が並び圧巻。めん類自販機以外にもお宝自販機がいろいろ。
夜の欽明館を撮影しに行こうと思っていたが、遅くなったので延期し道の駅で星空に乾杯。
今回の旅も終盤戦だ。本当に各地で素晴らしい人たちに出会いお世話になった。
すべて自販機が結んでくれたご縁である。感謝してもしきれない。
ドライブイン日本海から数㎞益田市よりの
国道9号沿いにあったお店。
もの凄い味わい深い空気感だ。
どの自販機も懐かしい感じで素晴らしい。
ハンバーガー自販機もある。
川鉄と富士電機が仲よく並んでいるなんて素晴らしい。
島根ののどかな風景、国道9号沿いに渋いオレンジ色のオアシス。
2台の年季の入った富士電機めん類自販機が活躍する人気のスポットだ。
観音茶屋やシルクウェイにちはらなどにも設置されている名脇役である看板は、
瀬戸工芸さんという昔ながらの職人さんが制作しており、味わいのある字体に惚れ惚れする。
その瀬戸工芸さんによる2012年の新作の看板。
この時代に昭和を表現できる技術を持つ貴重な職人さんだ。
外装の痛みはあるが、懐かし自販機の神・田中さんが管理する自販機だけに調子はバッチリだ。
分厚いチャーシュー入りラーメン、えび天や野菜天が豪勢に載る天ぷらうどんが各350円。
一番人気の肉うどん、そして肉そばも350円。
麺の下にはタップリの牛肉、地場産の新鮮なネギとの相性は完璧だ。
回転湯切りの際に飛び出ないように入れた、山口県仙崎産のかまぼこや、
回転を計算してのとろろ昆布など非常に手間がかかっている。
えび天と野菜天で麺が隠れるほどの(乾燥を防ぐ効果もある)田中さん特製自販機天ぷらうどん。
出汁はワンランク上の創味食品製のものを使用している。
数時間野菜などと煮込んで作られるチャーシューがまた絶品だ。
そのおいしいチャーシューが厚切りで入り、隠し味も工夫された自販機のレベルを超えたラーメン。
隣の最新型の自販機ではおにぎりなどの軽食を販売。
自販機のお店 風花の奥さんが作る人気の「肉巻き」は
味付きのご飯を肉で巻いてありとても美味しい。
黄昏時、夕陽を浴びる自販機達。
そして夜の闇に輝く自販機達。田中さんは天ぷらを揚げたり盛りつけたりと忙しい。
一日に朝昼晩と入れてもすぐ売り切れになる。かといって入れすぎて
品質を低下させることはしたくないという田中さんの愛情が深い。
夜の自販機コーナーはまた独特の味わいがある。
田中さんは朝4時起きで仕事を始めて終わるのは夜10時になることも。
繊細で温かな光を灯すニキシー管の陰極。
富士電機めん類自販機は2台ともニキシー管仕様で嬉しい。
牛乳が瓶入りの時代だった頃からの懐かしいベンチ。よく銭湯の前なんかにあったっけ。
朝から素敵な山道を走り繋いで、かわもと、風花と味のある自販機コーナーを堪能し、
一日の終わりに満足感に浸りながら今日の最終目的地、益田市のオアシスに到着した。
今回の旅の大きな目的でもある著書のためのインタビューなど、
これから3日間にわたって懐かし自販機の神・田中健一さんをじっくり取材したい。
長年の常連客 川橋武芳さん(78)は奥さんに先立たれてからというもの
ほとんど毎日オアシスにうどんや総菜を買いに来るそうだ。
地域の明るい雰囲気づくりにも貢献しているオアシスと田中さん。
PP丼のストックもまだたっぷりあるという。
田中さんはローカルテレビ、新聞から全国ネット局にまで登場し地元での認知度も高まった。
毎日4時起きで商品を補充、各店への出張修理など、更に多忙を極めている。
湯切りでの水分減少も考慮した上での秘伝のタレ追加。
田中さんの愛情が煮込まれ染みこんだ肉うどんの甘いコクは完璧だ。
すべてが25秒の間に魔法のように仕上がる。
国道9号の津和野方向を見渡すとのどかな山の景色が広がる。
ドライブ前の一杯に寄っていく客も多く、まさにオアシスだ。
全国の名店紹介や全店舗データに貴重な資料、
田中さんのインタビューなど日本初のレトロ自販機専門書が完成!
新刊である侘寂温泉の取材のため約一ヶ月にわたって旅した
九州から本州、下関へ渡りまずはオアシスへ。
懐かし自販機の聖地 花ヶ瀬
隣の後藤商店と合わせて5台の麺類自販機が稼働する奇跡。
実際の自販機はかなり大きい。
全国的に見ても風格ナンバーワンかも。
外装はボロいが調理部は常に清掃されているので衛生面は心配ない。
このオンボロ自販機から旨いラーメンが出てくるギャップが堪らない。
まずは天ぷらうどんを食べる。
田中さん手作りの海老天と野菜天が最高に旨い。
こちらは肉そば。甘めの肉が出汁に合いとても旨い。
吊り下げ式の一味。濃いめの出汁に一味を振るとピリッと最高に合う。
自販機のお店 風花のオーナー瞽女迫さん オアシスの汎用機で肉巻きおにぎりなどを販売している。
うどんやラーメンにプラスもう一品に最適なおにぎりなど安くておいしい。
田中さん特製チャーシューが堪らなく旨そうだ。
厚切りチャーシュー、ネギもたっぷりと。
夜の自販機は更に雰囲気が増す。
今回の〆はラーメン。
出来たてを自販機で調理。麺のプリプリ感がアップしている。
日本一の自販機ラーメンと思える納得の旨さ!
田中さんごちそうさまでした!